肩・肘が痛くならない投げ方を習得する4つのステップ


 

著者:伊藤 出パーソナルトレーナー / IDEALSTYLE代表

パーソナルトレーナー歴11年|元三笠宮寛仁親王殿下のパーソナルトレーナーであった魚住廣信名誉教授に師事|指導経歴:宝塚歌劇団員・三菱重工神戸野球部員・ボクシングミニマム級5位など|アスリートフードマイスター&元板前。

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野球選手が肩肘を痛めない投げ方を習得するためには、リラックスをしてスムーズな投球動作を身につけることがポイントになります。

今回お伝えする投げ方を実践すると、非常に気持ち良く投げられますし、パフォーマンスが上がる選手もいると思います。

この記事では、

  • 肩・肘を痛める投げ方の特徴や原因
  • 肩・肘が痛くならない投げ方を習得する4ステップ

などを解説します。

※今回の肩・肘の痛みは、「靭帯や骨などに異常はないけど投げると痛みが出る」選手を対象に解説します。もし病院で医師の診断を受けていない方は、必ず骨などに異常がないかどうかをご確認ください。

 

肩・肘を痛める投げ方の特徴や原因

肩・肘を痛める選手は、大きく分けて2つの原因があります。

それは、

  • 投げ方そのものに問題がある
  • 体力的な問題

この2つです。

投げ方に問題が出るケースは、指導者からのアドバイスに問題があったり、柔軟性が関係している可能性があり、以下の3つが現場でよく見られます。

  • ボールを前で離そうとする
  • 捕手方向を見続けている
  • 膝を曲げすぎ

これらの動作によって、肩の後方が強く伸ばされたり、肘が過伸展(伸ばしすぎ)することによって痛みにつながっている可能性があります。

ボールを前で離そうとする

よくあるのが、

  • ボールを前で離そうと意識する
  • ボールを切るような動作を意識している

ということですが、こういうことを意識して投げていませんか?

ボールを前で離そうという意識で投げると、肩甲骨の後方にある「棘下筋」や「肩甲下筋」などの筋肉が投球と同時に前方へ強く引っ張られます。

そうすると肩の方向に強いストレスがかかり、繰り返されると炎症が起こり、痛みが発生します。

また、肘を前に出して投げようとしたりボールを切るようなイメージで投球してしまうと、肘が過伸展してしまいます。

そうすると、肘の関節で骨同士がぶつかり合う刺激が繰り返され、その結果肘に痛みが発生します。

これは、その場で肘の曲げ伸ばしを繰り返し強く行ってもらうと、痛む理由がよくわかると思います。

このように、「ボールを前で離す」「ボールを切る」ような動作が癖づいている場合は、肩肘を痛める可能性があります。

捕手方向を見続けている

別のケースで言えば、投球するときに捕手方向をずっと見続けていることも問題です。

人間の身体は見ている方向に腕を伸ばしやすくなり、捕手を見続けて投球した場合、肩の後方などが前方へ強く引っ張られます。

イメージとしては、ボールを投げるときは軽く顎を引いた状態で、上目遣いで捕手方向を見ます。

そうすると、腕は前方ではなくスムーズに身体の巻き込めるようになり、肩肘を痛めることはありません。

このように、投球時に捕手方向を見続けていることも、肩・肘を痛める原因の1つですね。

膝を曲げすぎ

その他の原因では、膝の曲げすぎが考えられます。

膝を曲げすぎると、投球後に腕を身体に巻きこみづらくなり、肩肘を過伸展させやすいんですね。

ですので、膝を比較曲げすぎていることも、肩肘を痛める原因になっている可能性があります。

肩甲骨周りの柔軟性が低下

ここまでは「投げ方」の問題でしたが、続いては柔軟性の問題です。

ボールを投げるとき、

  • 腕が上方へ上がる
  • 肩甲骨が軽く内側へ寄る
  • 腕が内側・外側へ捻られる

というさまざまな動作が起こります。

このときに関係している筋肉は、

  • 僧帽筋
  • 菱形筋
  • ローテーター・カフ(肩周辺のインナーマッスル)

などです。

この他の筋肉も関与しますが、「僧帽筋」「菱形筋」などの筋肉が硬くなってしまうと、肩甲骨がスムーズに動かず、腕が上がりづらくなります。

そうすると肘の位置が下がり、ボールを押し出すような投げ方になってしまいます。

こういう投げ方になれば肩肘への負担が増し、痛めてしまう可能性があります。

柔軟性の問題は、肩・肘周辺の筋肉に限ったことではありません。

  • 背中
  • 股関節
  • お尻

など、投球動作に関与する筋肉が硬くなれば、必ず投げ方にも影響が出ます。こういう身体の硬さも、肩・肘を痛める原因になります。

もう1つおさえておきたい原因は、特に小・中学生で起こりがちな肩肘が痛む原因です。

体力の問題

ここでいう体力というのは、スタミナ(持久力)のことではなく、筋力的な問題です。

軟式野球から硬式野球に変わったとき、ボールやバットが重くなり、その重さに身体がついていかないことで肩・肘が痛むこともあります。

こういう場合は、投げることよりも先に筋力を向上させたり、体力的なトレーニングを行うことが痛みを改善する上では必要になってきます。

このように大きく分類すれば、

  • 投げ方、動作の問題
  • 体力的な問題

の2つに区分できると思います。

では、こういった原因で発生した肩・肘の痛みはどうすれば改善することができるのでしょうか?

 

肩・肘が痛くならない投げ方の習得方法①:肩の柔軟性を改善する

まず最初に行ってほしいことは、硬くなっている肩周りの筋肉を緩めることです。

ここからお伝えする5つの方法を実践すれば、今よりも肩周りが柔らかくなり、投球動作がしやすくなります。

①腕を前後に動かす

手順

  1. 立った状態で、両腕をみぞおちの高さに上げる
  2. 手のひらを天井に向け、腕を落とすイメージで肘を曲げて後方に引く
  3. この反動でスタートポジションに戻り、振り子のように腕を前後に動かす
  4. これを30回行う

②肩甲骨を内・外に動かす

手順

  1. 身体の前側で手の甲と甲を合わせる
  2. このとき、胸元にしわを寄せるように少し丸くなる
  3. ここから腕を外側に捻りながら胸を軽く突き出す
  4. このときは肩甲骨を軽く寄せるイメージ
  5. 肩甲骨を外側に離したり、内側に寄せたりを繰り返す
  6. これを30回行う

③腕を上下に動かす

手順

  1. 耳の高さで棒を持つようなイメージで腕を少し上げる
  2. その棒を肩よりも少し下げるようなイメージで腕を上下に動かす
  3. リラックスしたこの上下運動を50回行う

④腕を身体の前側で回す

手順

  1. 脚を肩幅に開き、肩から腕をぶらんと垂らしてリラックスさせる
  2. 身体の前側で円を描くように、腕を回す
  3. このとき、膝の屈伸で勢いをつけるように腕を回す
  4. 同じ方向へ20回、逆回し20回行う

⑤腕を内外旋させる

手順

  1. 仰向けの状態で、腕を45度ぐらい開く
  2. 肘を90度ぐらい曲げる
  3. この状態で、肘を支点に前腕を内・外側に倒す
  4. これを1分間リラックスして行う

この5つをできるだけリラックスした状態で、気持ち良く行っていきます。

柔軟性が改善できると、次は投球動作そのものを改善し、スムーズな動作をインプットしていきます。

 

肩・肘が痛くならない投げ方の習得方法②:投球動作を改善する

自然な投球動作をインプットするためには、以下の4つを行っていきます。

①投球腕をスムーズに回す

手順

  1. 脚を肩幅に開き、投球腕を肩からぶら下げる
  2. 膝を屈伸させ、投球腕を内向きに回す
  3. このとき、身体の前側でスムーズに回ることを確認する
  4. これを20回行う

②頭の後ろに拳を落とす

手順

  1. 再度片腕を内向きに3回回す
  2. 3回目で拳を頭の後ろに落とす
  3. これを10回行う

このとき、肘の位置は肩と同じぐらいの高さに持っていき、肩の高さよりも上下しないようにしてください。

③頭の後ろに拳を落とした状態から一本背負い

手順

  1. 頭の後ろに拳を落とし、その状態でリラックスする
  2. そこから、一本背負いをするように身体を縦に折る
  3. 腕はリラックスしておき、自然な投球動作を行う
  4. これを20回行う

④スムーズな投球動作をインプットする

手順

  1. 投手のように立ち、身体の前側で投球腕を3回回す
  2. 3回目で頭の後ろ側に拳を落とす
  3. そこから一本背負いをするように身体を縦に折る
  4. そして、自然な投球動作を行う
  5. これを20回行う

ここまでの流れができると、スムーズな投球動作がインプットでき、肩・肘が痛くならない投げ方がインプットできます。

また、今回の内容は動画でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。

 

肩・肘が痛くならない投げ方の習得方法③:ポジション別に投げ方を変える

上記でお伝えした4つの手順がスムーズな投球動作になりますが、ここからさらにポジション別に投げ方を改善していきます。

これらは別の記事で詳しく解説しているので、こちらを参考にしてみてください。

投手の投げ方

野手の投げ方

キャッチャーの投げ方

ここまでの流れが適切にできると、肩・肘が痛くならない投げ方を習得できるので、ぜひ参考に実践してみてください。

今回は、肩・肘が痛くならない投げ方を習得する3つのステップなどを解説しました。

今回の記事の内容

  • 肩・肘を痛める原因は、主に投げ方と体力的な問題
  • ボールを前で離すなどの意識を持てば、肩や肘を痛める可能性
  • 肩・肘を痛めない投げ方のポイントは、腕がスムーズに動くこと
  • そのためには、3ステップをリラックスしてこなすこと
  • 身体に腕が巻き付くようなフォロースルーができると、肩や肘への負担は軽減する

肩・肘を痛めてしまうともどかしい気持ちもあると思いますが、今回の内容が少しでも野球選手のお役に立てると嬉しく思います。

今回は以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

また、野球選手に参考になる記事も貼っておくので、以下も参考にどうぞ。

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